一次試験の出題傾向と分析

2018年度以降の試験は、CBT方式に試験方法が変わり、受験された会場や日時により難易度の差はありますが、基本問題は繰り返し出題があります。しっかりと基本を学習し、新設された章へと学習を進めましょう。ソムリエは、ソムリエの職責・サービズ実技の章からの出題があり、エキスパートは各国の出題が多いです。近年の教本より掲載のある日本酒(3問程)、イギリス(1、2問)、チーズ(2問)の出題はあります。また、東欧(スロヴェニア、ルーマニア、ブルガリア、クロアチア)、モルドバ、ジョージア、ウルグアイからも各1問程度の出題があります。例年同様に地図問題の出題は増加傾向にあります。地図そのものの出題以外に、位置(最東など)を確認する問題があります。しっかりとワイン産地の位置を覚えましょう。以下のデータは2013年-2017年(CBT導入前)の5年間のデータを分析してます。基本的には出題傾向は変わりませんが、下記のデータに新設された章からの問題があると考えましょう。※コメントは2017年度までの数値ですが、コメントは近年の傾向を反映しています。

チャプター別、出題傾向

フランス、酒類概論、イタリア、日本で約半分の46%を占めます。但し、フランスは、最も出題範囲が広く、次いでイタリアです。よって、酒類概論と日本が比較的、勉強しやすく得点しやすい範囲だといえます。また、スペイン、アメリカは、出題数が多いですが、問題により難易度がはっきり分かれます。過去に繰り返し出題のある問題は必ず得点してください。フランスは、近年出題が縮小傾向にありますが、ワインを学ぶ上で、基礎となる国です。しっかりと覚えましょう。「日本酒」「チーズ」「イギリス」など、近年の教本から追加となった章についてはしっかりと学習しましょう。※公衆衛生の章はなくなりました。

年度別出題率

近年は120問です。2014年度以降130問、2013年度110問でした。2021年度も110問~130問の間で想定してお行きましょう。2014年度以降は、日本の出題率が大幅に増えています。近年、減少傾向にあったドイツも2015年度以降は、以前のように出題が増えています。フランス、イタリア、スペインは平均的に安定しています。東欧、ジョージア、ウルグアイなどは、難問が出題される可能性がありますが、基本的問題のみしっかりと抑えましょう。テイスティングの官能表○(甘味)△(酸)の図は、近年は、1問程度の出題です。ワインとお料理については、章としての記載はなくなりましたが、各国に記載がありますので、基本的なワインとお料理の組み合わせは覚えましょう。

国名 2017 2016 2015 2014 2013 合計
フランス 36 47 70 83 68 304
酒類飲料概論 36 30 48 47 44 205
イタリア 23 23 30 32 23 131
日本 14 18 25 30 18 105
アメリカ 21 15 26 19 15 96
スペイン 11 14 24 22 17 88
オーストラリア 10 6 15 15 12 61
ワインと料理 0 7 15 16 16 54
ドイツ 10 10 14 10 7 51
ワインの購入・管理・販売 5 6 11 13 15 50
公衆衛生と食品保健 0 0 15 15 18 48
サービス実技 6 6 15 16 5 49
チリ 7 5 11 12 10 45
ポルトガル 5 7 11 9 9 41
ニュージーランド 7 8 7 10 7 39
テイスティング 7 7 6 3 14 37
オーストリア 5 8 9 6 6 34
アルゼンチン 5 4 8 7 7 31
日本酒 8 12 3 6 3 27
南アフリカ 8 4 6 6 5 29
カナダ 7 4 8 4 4 27
ハンガリー 5 4 4 3 4 20
スイス 2 2 5 6 3 18
チーズ 9 0 0 0 0 9
ギリシャ 2 2 2 0 0 6
クロアチア 2 2 0 0 0 4
ブルガリア 2 2 0 0 0 4
ルーマニア 2 2 0 0 0 4
スロヴェニア 2 2 0 0 0 4
イギリス 3 0 0 0 0 3
合計 260 260 388 390 330 1628

※上記の数は、共通問題もそれぞれの呼称ごとにカウントしてます。(問題種類としては895問)
※2016年以降は、呼称が2呼称の為、全体の問題数が少なくなっています。グラフでは、年度により総数が異なることも考慮して、傾向を見てください。
※2015年度は2問不備問題がありました。

フランスの傾向

ボルドー、ブルゴーニュ、ローヌで55%を占めます。ボルドーの格付けやブルゴーニュとローヌのA.O.Cはしっかりと覚えましょう。ボルドー、ブルゴーニュは、出題範囲が非常に広いので、まとを絞って学習する必要があります。

  • ●シャンパーニュは、醸造工程など、とても重要な箇所です。しっかり学習をする必要があります。
  • ●ロワールは覚える事が多い割には1、2問の出題です。A.O.C.は過去に出題のあったものから覚えるとよいでしょう。
  • ●フランス概論は毎年1問程度の出題です。
  • ●プロヴァンス、ジュラ・サヴォア、VDN&VDL・新酒は、毎年1問の出題があるかないかというところです。
国名 2017 2016 2015 2014 2013 合計
ボルドー 4 5 13 10 6 38
ブルゴーニュ 3 9 9 8 3 32
ローヌ 2 2 7 4 3 18
ロワール 1 4 3 2 1 11
ラングドック&ルーション 2 2 4 0 3 11
アルザス 1 3 1 2 3 10
シャンパーニュ 2 2 3 2 2 11
ジュラ&サヴォワ 2 1 2 1 2 8
南西地方 1 0 2 2 2 7
フランス概論 2 0 2 1 1 6
プロヴァンス・コルス 1 1 2 1 0 5
VDN&VDL、新酒 0 0 2 1 0 3
合計 21 29 50 34 26 160

※2016年度以降は、呼称が2呼称の為、全体の問題数が少なくなっています。2017年度は、21問の出題しかありませんでした。グラフでは、年度により総数が異なることも考慮して、傾向を見てください。
※共通問題は1としてカウントしています。

新・旧世界その他の比較

  • ●旧世界(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル、その他ヨーロッパ)44%、新世界(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチン、南アフリカ)20%、日本6%、その他30%
  • ●新世界は覚える事が比較的少ないが、出題は20%もあるので、新世界問題は確実に得点できるようにする事が合格への近道です。ただし、近年は難問の出題がある範囲でもあるので、基本問題は必ず得点してください。また、日本に関しても出題比率が高く容易に得点できる範囲です。しっかりと学習しましょう。
国名 合計
旧世界 712 43%
新世界 328 24%
酒類飲料概論 205 13%
日本 105 6%
ワインと料理 54 3%
ワインの購入・管理・販売 50 3%
公衆衛生と食品保健 48 3%
ワインのサービス実技 48 2%
テイスティング 37 2%
日本酒 32 2%
チーズ 9 1%
合計 1628 100%

ソムリエ、エキスパート別の出題傾向

  • ●ワイン購入販売、サービス実技に関しては、ソムリエの出題比率は高いが、エキスパートは、極端に少ないことに注目しましょう。次いで、テイスティングがソムリエ呼称に多い傾向にあります。
  • ●エキスパートは、イタリア、日本、ドイツなどの各国に関しての出題が多いです。2017年度は、共通して歴史年号の出題が多くありました。
  •                             
  • ●共通問題を除く、ソムリエ、アドバイザー、エキスパートそれぞれの呼称のみの問題のデータを抽出している為、エキスパート呼称において、購入管理はグラフ上数値はありませんが、出題がゼロではありません。アドバイザー呼称はソムリエに含む為に総数が異なります。
国名 ソムリエ エキスパート
フランス 35 26
酒類飲料概論 27 2
イタリア 13 14
日本 16 8
スペイン 12 5
アメリカ 14 9
ワインと料理 14 2
ワインの購入・管理・販売 27 0
オーストラリア 10 4
公衆衛生と食品保健 26 21
ワインのサービス実技 14 1
テイスティング 11 2
ドイツ 6 7
ポルトガル 6 1
チリ 18 15
ニュージーランド 17 15
オーストリア 7 5
アルゼンチン 7 2
日本酒 2 1
カナダ 3 4
南アフリカ 8 1
ハンガリー 4 2
スイス 4 1
ギリシャ 2 0
クロアチア 1 1
スロヴェニア 1 1
ブルガリア 1 1
ルーマニア 1 1
チーズ 3 0
イギリス 1 0
総計 262 106

JSAソムリエ試験について

ソムリエとエキスパートの2呼称の試験です。
1次試験:筆記試験、2次試験:テイスティング、3次試験:サービス実技(ソムリエ呼称のみ)
詳しくは、ソムリエ協会のホームページでご確認ください。

2020年度一次試験(筆記試験)

各章の出題率はログイン後のページに掲載しています。(CBT方式の為2017年度までの傾向)

問題数:120問程度 試験時間:70分
合格ライン:70%
問題の形式:基本的に4択問題(マークシート)

  • ・CBT方式になり、2回受験できるようになり、1回目が60%程度、2回目が80%程度、解答できる方が多いようです。
  • ・2021年度は、110問から130問を想定しておきましょう。CBT方式導入前より、難易度が上がっていますが、基本をしっかりと抑えていれば合格できます。
  • ・2021年度教本において、新設された章に関しても出題があります。
  • ・地図問題が増加する傾向にあります。
2020年度二次試験 ブラインドテイスティング試験

ソムリエ試験
スティルワイン3、スティルワイン以外2 / 40分

エキスパート試験
スティルワイン4、スティルワイン以外1 / 50分

ソムリエ試験には、サービス実技試験があります。

  • ・出題は基本品種ですが、やや難問の年と容易な年があります。
  • ・日本の品種には注目しておきましょう。
  • ・品種が1問の正解でも合格されている方はいらっしゃいます。

日本ソムリエ協会のページへ